八ヶ岳ツクモグサ山行 <前編>

ツクモグサに会いに行ってきました・・


◆八ヶ岳(赤岳)・やつがたけ(あかだけ)・長野県・2,899m◆

                                     2008年6月15日(日) 《単独》



【行動時間 約9時間50分(休憩含む)】
美濃戸山荘(5:50)―南沢―行者小屋(7:45)―文三郎尾根―赤岳(9:40)(9:55)―横岳(12:05)―硫黄岳(13:05)―赤岳鉱泉(14:25)―北沢―美濃戸山荘(15:40)




10時に自宅を出てからちょうど4時間後の午前2時
仮眠を取ろうと諏訪PAで車を停めました
初めての単独車中泊
なんだか落ち着かないひとりきりの夜
ほとんど寝付けないまま携帯のアラームが時を知らせました
午前4時――
夜は白々と明けようとしています



さてこれからが一大事
それは私にとって山登りより難しいかもしれないことなんです
「無事登山口が見つかりますように」



諏訪ICで高速道路を降り
何となく見覚えのある街並みの中をコンパスが指し示す方向へ車を走らせます
変則的な形状の交差点を右折し川沿いの道を走って最初の交差点を左折・・
だったら完璧だったのにこれをまっすぐ進んでしまったため「遭難」することに
20分ほど迷ったあと「柳沢」という地名を表す標識を見つけたときには心底ほっとしました



八ヶ岳山荘からは正面向かって左側の細い林道へと入っていきます
道表面のデコボコに注意しながらただゆっくり道なりに進むだけなので
道迷いの心配が無いことが私にとっては「快適な道」でした



登山口のある美濃戸山荘周辺は前日組もかなりいらっしゃるのでしょう
まだこの時間なのにたくさんの車で溢れかえっています
柵のある駐車場(一日1,000円)の空いたスペースに車を止め仕度をしてすぐ出発しました

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八ヶ岳の案内板のすぐ左横の南沢から入っていきます
この道は一昨年下山で歩いているところ
同じ風景も見る方向が違うとまた別の道を歩いているように思えるから不思議です

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目印の赤テープを見落とさないように注意しながら
苔むす「癒し系」の道を歩いていきます
沢の音、鳥の鳴声、虫の羽音・・
奏でられる森の音楽が耳に優しく響きます

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一旦河原に出て空が明るくなったかと思うと再び道は樹林帯の中へ
ところどころに残る雪はこの時期だというのにまだ冷たく凍っていました

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もう一度河原に出て緩やかな道をしばらく歩いていくと人で溢れかえる行者小屋に到着
朝の光に照らされて輝く周囲の山々が八ヶ岳への再訪を歓迎してくれていました

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冷たいお茶で喉を潤したあと人ごみを避けるようにその場を後にします
記憶の糸を辿って文三郎道への取り付きへ
傾斜の増した九十九折の道は睡眠不足の体にはかなりキツかったです

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「痛っ!」

鉄階段を登っているとき左膝に一瞬、鋭い痛みがはしりました
驚いて立ち止まり、ゆっくりと膝を動かしてみたけれど痛かったのはその一瞬だけ

「膝が休みたがってるのかな・・」
階段の踊り場のような場所で今日初めて腰を下ろしました
ひとりの時はつい休憩を疎かにしてしまうのが私の悪い癖です

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10分ほど休憩したあと静かに立ち上がってみるけれど特に異常は無い様子
ほっと胸を撫で下ろしながら再び登り始めます

右手にずっと見えている中岳(左)と阿弥陀岳(右)
仲良く肩を寄せ合い次第に重なっていく二人の様子を羨ましく眺める私なのでした・・

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赤岳直下は急峻な岩稜地帯
懐かしい感触の冷えた岩と鎖を掴みながら慎重に登っていくと
やがて360度の展望の待つ山頂に到着

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二度目の山頂もお天気に恵まれ最高の展望を楽しむことができました

時間配分がいまいち不安なので
軽く食事をしたあとすぐその先へと進みます
南北に連なる八ヶ岳の峰々はやっぱり素晴らしいのひとこと
今そこを歩ける喜びに自然と胸が高鳴ります

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風力発電のプロペラが回る赤岳展望荘の前を通り
北へ向かって続く岩稜帯を歩いていきます

すれ違う多くの人々
大きなカメラを持つ私の目的もすぐ判るみたいです
場所・開花状況・・
特にお聞きしたわけでもないのに皆教えたくてたまらないといった様子

最初の方のお話では「たった一輪だけだよ・・」ということだったのに
次々とすれ違う人たちのお話から
時間の経過とともにお花が開花していっている様子が容易に想像できました

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梯子や鎖もある岩稜帯を越え
「三叉峰」と呼ぶピーク手前の鞍部でついに私の会いたかったものが・・

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「ツクモグサ」です
その存在を知ってからずっと憧れ続けていたお花です
小さいながらもすっくと上を向いて咲いている姿は力強さを
花と茎を軟毛で覆われた姿はどこか可憐さを感じる不思議なお花・・

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会いたかったお花に会えて幸せ気分いっぱいです
けれどそうゆっくりもしていられません
目の前の褐色の稜線はさらに奥へと続いていきます


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後編へつづく】